2012年11月08日
The Evolution of GA-GO Vol.3
The Evolution of GA-GO第3回目は、LightingManipulator(照明)のるなちゃんことVelna Mintです。

■LightingManipulator(照明)というSLではあまりない職業だと思いますが、やろうとおもったきっかけは?
もともと私はリアルでもライブに出かけたりする事があるのですが私が数多く見てきたSL内のライブの多くは、照明装置はただの飾りで、曲調に合わせて動くどころか、MC時でさえ動くことをやめないものがほとんどでした。SLである方のライブを見に行った際に感じた『違和感』がきっかけで照明の手動制御というより、メリハリをもたせON/OFFしていこうというところから始まったって感じですね。
どちらかと言えば、最初は演出という考えより、きちんとRLライブのように照明をあてたら、もっと楽しいかもっていう観客に近い発想だったかもしれません。自分が制御する照明で照らされたミュージシャンのSSを見てからは本格的に照明演出に力を入れていきましたね。

■具体的な手法について教えてください。
企業秘密・・・・というわけにはいきませんね(笑)
GA-GOにおけるライティングコントロールの場合、まずは曲をしっかり覚えることは当然ですが、自分の使用する機材・・・これは市販の物だろうと自作の物だろうと一緒なんですが、どんな動作が可能で、どんな用途に用いられる装置なのかということは常々研究するようにしてます。その上で、曲ごとにシーケンスコードを作って、それに従って操作していますね。GA-GOの曲では、一曲ごとに、秒単位できちんとシーケンスが決まっていますので、それに合わせつつ、あとは会場ごとにアドリブを混ぜてって言う感じですね。
初めてライティングのお誘いを受けたのがちょうど米国チャリティーライブのPeaceFest2011だったんですけど、その時は初めてホームグラウンド以外での照明制御でしたので緊張しまくってたのを覚えています。最初は着座型のドラムセット風ブースだったんですが、G-PROJECT撮影のあたりですかね・・・顔が見えないとの指摘がありまして(笑)
ちょうど別のSIMで省プリム仕様のDJブース型の制御卓を作った事もあったので、それからはずっと立って操作するタイプですね。私のブースは自分の操作動線や想定しうるコンソール数、角度などを考えて自作しているんですが、実はこれまでのブース全てに名前がついていたりします。
あとは、市販品でも改造したりして自分の要求する機能を追加したり、照明機器のオーナーさんに直々にリクエストしたりする事も。逆に、私と同じ市販の機材を購入すれば、それでいいというわけでもないんですよ。せっかくのいい機材であっても、何も考えずにならべただけだったり運用方法を考えずに、自動制御で全点灯とかしちゃうと、ただのグローテロになっちゃいますし、実はSLの照明って、けっこう「邪魔くさい」と思う人ってまだまだ少なくないんですよね。
昔からよくフリーなんかで入手できたりするトラッキングライトとか結構見かける事があると思いますけど、あのライトの光のプリムがかぶっちゃうとsitできなかったり、オブジェクトタッチできなかったり、邪魔に思った経験がある人は少なくないと思います。
私が操る照明も同じ事が言えますので、設営の際には、他のメンバーの妨害になるような配置とかはしないように心がけてます。あくまで演出装置ですから、出演者の妨害になるライティングじゃ本末転倒になっちゃいますしね(笑)
だから、私は新型の照明を購入しても即座に使うのではなく、機能テストなんかをくりかえして、自分が使いこなせそうだなと思ってから投入します。
ただ、派手な光でにぎやかにしたいだけなら、オペレーターはいりません。その曲、そのステージをいいものに演出したいからこその照明制御であって決して、出演者を差し置いて照明装置だけが突出して目立ったり、あまつさえ出演者のお邪魔になる照明はやる価値ないですからね。ライブを彩るのが楽曲やダンサー、出演者の人達だとすれば、私の照明はあくまで一種のエッセンスのようなもの。
一度数多くの照明を取り付けてしまうと、当然演出効果としては目立ちますし配置がいい加減だったりすると、ステージ全体が酷い物に見えてしまいます。そういった欠点もあるのが照明ですから、それを理解した上で、どの装置をどのように配置し、どのように演出していくかという脳内シミュレートを常に行なえる能力は要求されますね。
照明機材に囲まれたステージならば、当然その照明演出の質と言うものは期待されていると思っていいと思いますし、その期待に応える努力は他のメンバーや出演者と同じで努力の積み重ねによってしか得られないと思ってます。何日、何時間と準備に時間がかかるのもGA-GOのライブですから、他のメンバーの努力を一発で台無しにしてしまうライティングだけは絶対にやっちゃいけませんし、これはGA-GO以外の方の照明をやるときも遵守すべき絶対不変のルールとして君臨しています。
照明ひとつで、せっかくの他メンバーの演出が台無しになっちゃうわけですから、曲の雰囲気やメッセージ性などを壊さないように配光をしていくことがもっとも重要だと思います。
より良いステージにしたいなと思うからこそ、機材の刷新や研究が必要だと思っていますし、その努力ができない人では照明屋は無理だと思うんですよ。
・・・大変な割に結構地味で目立つわけでもないですしね。目立ちたい人は一番やっちゃいけないポジションかもしれません。

すべてのボタンが飾りではなく、実際に照明を制御できるボタンになっている。
自分が出たライブの動画なんかがある場合は、何度も見てひとり反省会をやりながら、シーケンスは的確だったかとか、機材の動作は快調だったかとかチャックしたりもします。「ここでこの制御ないわー」とかダメ出ししたりとかね(笑)
私はコンソールの実機を使いますので、HUD類は少ないです。視点はコントロールHUDで固定していますので、ライブの大半はコンソールとにらめっこですね。他のメンバーと違って、私はHUDがサブという感じです。チャット窓も閉じるのではなく、画面隅に追いやって、操作中に画面が埋まらないようにとかやってます。

■昨年からのメンバー加入だと思いますが、GA-GOについての印象は?
初めて聞いた時は骨太のロックだなってのが第一印象でした。最近よくある洒落たロックではなく、どこか不器用なんだけど、本音の叫びに近いと言うか・・・。男臭いっていうんですかねー なんか悪口みたいですけど(笑)
ただ、ステージの迫力に関しては、それまで見てきたどのSLライブよりも衝撃的でした。絵に動きがあるっていうんですかね?
GA-GOの場合は、とにかくメンバーがステージ中を上下左右とよく動き回り、駆け巡って、躍動感ってものが伝わってきます。逆を言えば「SLでここまでできるのか」って目からウロコって感じで、もう、『すごい』の一言でしたね。
GA-GOのステージって毎回同じ事の繰り返しではなく、メンバーである私ですら驚かされるギミックを毎度しこんできたりするので、それに合わせて私自身もシステムまわりの刷新とかに結構追われてます。だから、いい意味で刺激になって楽しいですよ。
常に変化し続けるのもGA-GOですから、私も次はなにをやらかそうかとかいろいろ考えたりしますね。ライブ直前なんかは、泊まり込みに等しいほど、会場でログインして会場でログアウトするなんてぐらい、機材いじってたりしますしね。
ああ・・・GA-GOに入ってからは夜更かしとコーヒーの消費量が増えました(笑)

■これからの展望などあれば教えてください。
実際に私以外にも照明機器を演出手法として行っている人は国内外にもいますし、私だけが特別な事をやっているという意識はないんですよね。
私がやっているライティングがリアリティの追求かと聞かれると、これも違うとおもうんですよ。クラブなんかですとVJさんなんかがいますが、ライブなどで照明さんがステージに上がる事はありませんし、ましてや一人でそれを制御なんて事もやっていませんから、リアリティとしてみた場合は、当然反すると思います。
私の尊敬するとあるゲームメーカーの社長さんの言葉の受け売りなんですが私がやっていることはリアリティの追求なんかじゃなくエンターテイメントであって、こだわりの範疇だと思うんです。
SLでは照明がなくてもステージが真っ暗になることもありませんし、無くても困るものではありませんが、あえてこだわることで、SLのステージを華やかにできたら、もっと楽しいと思うんですよ。だから、こだわってなんぼ。使い機材にも使い方にも、こだわりを見せる事で初めて『照明演出』というひとつのエンターテイメントを客席の人達に披露できるものだと思ってます。
ライブ・コンサートは「聴く」ものではなく「観る」ものですしね。
SLのあらゆるものってエンターテイメントだと思うんです。エンターテイメントであるコンサートにいろんな要素のエンターテイメント性をもった演出を組み合わせる事で、もっともっと楽しいライブになったらいいと思いますし、していきたいななんて思いますね。
The Evolution of GA-GO Vol.7
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Posted by GAGO at 17:28│Comments(1)
│The Evolution of GA-GO
Comments
わーーい るなちゃんだ><;;;
ありがとおおおぉおおおお><ノ 楽しく読ませていただきましたぁ><ノ
これからもがんばってねえええ><ノ
ありがとおおおぉおおおお><ノ 楽しく読ませていただきましたぁ><ノ
これからもがんばってねえええ><ノ
Posted by 加納 瑠花 at 2012年11月09日 01:16
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